Hulu独占配信ドラマ「十角館の殺人」は綾辻行人さんの映像化が不可能だと言われていた小説が原作ですが、どうやって実現したのでしょうか?「十角館の殺人」で映像化不可能はどうやって実現できたのか?衝撃の一行シーンのネタバレや理由を考察します。重要なネタバレを含むので知りたくない人は閲覧注意です。
【十角館の殺人】映像化不可能な「衝撃の一行」など原作のネタバレとは?
ドラマ「十角館の殺人」とは?
日本を代表するミステリー界の巨匠・綾辻行人さんのデビュー作として知られる小説「十角館の殺人」。
日本だけでなく全世界シリーズ累計670万部の大ベストセラー「館」シリーズは『十角館の殺人』から『奇面館の殺人』まで9つの長編推理小説からなる壮大なストーリー。その一作目であり、たった1行で事件の真相を描いているて長年「映像化不可能」と言われてきた作品でもあります。
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— 「十角館の殺人」Huluオリジナル【公式】 (@jukkakukan) December 29, 2024
そんな「十角館の殺人」が動画配信サイトHuluオリジナルで実写化され、大きな話題になりました。
一体どうやって「映像化不可能」と言われたものを可能にしたのか?
まずは、以降では、「映像化不可能」と言われた意味や「衝撃の一行」について原作小説のネタバレをご紹介していきます。
重要なネタバレをご紹介するので、閲覧注意です。
【十角館の殺人】映像化不可能な「衝撃の一行」など原作のネタバレとは?
まずは、原作小説のストーリーをご紹介です。
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
すべてはここから。清冽なる新本格の源流!大学ミステリ研究会の七人が訪れた十角形の奇妙な館の建つ孤島・角島。メンバーが一人、また一人、殺されていく。「十角館」の刊行から二十年。あの衝撃を再び!
引用元:引用サイト
とある孤島の十角形の奇妙な館を訪れたミステリー研究会のメンバーの7人が、1人ずつどんどん殺されているミステリー。
犯人は誰なのか?そして半年前に炎上した青屋敷で焼死した館を建てた建築家・中村青司の事件の真相とは?
ストーリーは島を訪れた7人のミステリー研究会のメンバーが犯人は誰なのかを探り、そして一方で陸地で元ミステリー研究会のメンバーだった大学生の江南孝明が死んだはずの建築家・中村青司から手紙を受け取り、その謎を解いていくという2つの島と陸地の2つ物語が進行していきます。
物語①島でミス研のメンバーが犯人と対峙
物語②陸地で元ミス研のメンバー・江南孝明が建築家・中村青司の手紙の謎に挑む
※ミス研=ミステリー研究会
【犯人と動機】
そしてズバリ!犯人ですが、ミステリー研究会のメンバーの1人・ヴァンという男です。
実はミステリー研究会は、メンバーを推理小説家にちなんだあだ名(ニックネーム)で呼び合っています。
以下の記事では、そのあだ名、ニックネームや登場人物についてご紹介しています。
十角館の殺人登場人物のあだ名と元ネタ・本名【ミス研メンバー】ネタバレなしで!
ミステリー研究会の新年会の三次会で、メンバーたちから酒を飲まされて急性アルコール中毒から心臓発作を起こして死亡した、恋人の中村千織の復讐でした。
当時、ヴァンは先に帰宅していて、その場にはおらず、残っていたメンバーが孤島・角島を訪れた7人でした。
【映像化が不可能といわれている理由・「衝撃の一行」とは?】
では、なぜ「映像化が不可能」と言われているのでしょうか?
実は、陸地で江南孝明が謎解きをしているとき、同じミステリー研究会の仲の良いメンバー・守須恭一の自宅を何度か訪れて、事件の真相についての意見を聞いていたのですが・・・なんとこの守須恭一と、犯人であり十角館にいたヴァンは同一人物でした。
陸地と島を、小さなボートで行き来をして、巧みにアリバイを作り、1人ずつメンバーを殺していった犯人。
その事実が後半のある守須恭一のセリフ一行で判明します。
守須恭一が「ヴァン・ダインです。」と自分のミステリー研究会でのニックネームを名乗るセリフ。
このセリフの一言で、主人公の相談役だと思っていた守須が、実は犯人のヴァンでもあったことを読者がわかり、衝撃を受けることになるんです。
小説では、当たり前ですが、ヴァンや守須の言動はわかりますが、見た目はわかりせん。なので同一人物だと読者は気づきません。
しかし映像化となると、最初からわかってしまいますよね。。。では、どうやって映像化は実現したのでしょうか?
【十角館の殺人】映像化不可能はどうやって実現?
ドラマ「十角館」のあらすじとは?
まずは、ドラマ版の「十角館」のあらすじをご紹介します。
十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する、角島(つのじま)。
1986年、“十角館”を建てた天才建築家・中村青司(なかむら・せいじ)は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。
半年後、無人島と化していた角島に、K大学ミステリ研究会の男女7人が合宿で訪れる。
その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明(かわみなみ・たかあき)のもとに【死んだはずの中村青司】から1通の手紙が届く。
<十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。
「偶然とは思えない」―。江南は調査を進めるなか、島田潔(しまだ・きよし)という男と出会い、行動を共にしていく。
一方“十角館”では、ミス研の1人が何者かに殺害される。「犯人は一体誰だ?」疑心暗鬼に陥り、互いに仲間を疑いはじめるメンバーたち…孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。
2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。
引用元:公式サイト
小説とほぼ同じように進行していく実写化されたドラマ版です。
映像化不可能はどうやって実現?
角島で1人1人殺していく(真相がわかるのは最後ですが)犯人・ヴァンも、主人公の江南孝明と仲の良い「守須恭一」。
もちろん1話からヴァンも守須も2人ともたくさん登場シーンがあります。
しかし、私は原作を読む前にドラマを先に見たのですが、2人が同一人物だと気付きませんでした。
演じているキャスト俳優は小林大斗さんです。
劇団あしからず。特別公演
「石を投げる」【キャスト】#小林大斗 @hrt_kobayashi
【公演期間】
11/29(金) 19:00
11/30(土) 14:00 18:00
12/1(日) 13:00 17:00【会場】
池袋 木星劇場https://t.co/L8vvFZqFViご予約https://t.co/o95wFXMvVE pic.twitter.com/BssE4w3LbP
— 劇団あしからず。 (@asikarazu01) November 3, 2024
以下の記事では、小林さんについて、詳しくご紹介しています。
島にいたヴァンは、髪の毛を下ろして、マスクをしていて顔があまり見えないようにしていました。また周囲体調が悪く、下向きで苦しそうにメンバーと会話をしていました。
一方、陸地の守須恭一は、髪型はオールバックで堂々と話をしています。まったく違う印象で、見事に別人のように見えた2人でした。
小説をすでに読んでいる人は、当然最初から、事件の真相がわかると思います。髪型などが違っていても、同一人物だとわかっていたと思います。
しかし原作小説を読んでいなかった私は、まったく「衝撃の一行」のシーンまで真相に気づかず、驚いて、最初の1話から見返しました。
とはいえ、同じ俳優さんが演じていたのに、なぜわからなかったのか?映像化が成功したのでしょうか?
十角館の殺人の映像化でなぜ衝撃の一行が再現できた?特殊なオーディションだった!
キーパーソンの俳優の演技力
まずは、演じていた小林大斗さんの演技だと思います。
髪型やメイク・マスクだけでは、どうしても同じ人物であることを隠すのは難しいです。
もちろん監督さんなどの演出などもあり、俳優さんの演技力の高さが全くの別人のように見せて、実現したのでは?と思います。
キーパーソンの俳優の知名度!特殊なオーディションだった!
しかしそれでも知っている俳優さんだったら、マスクをしていたとしても、顔を隠していても、気づく人も多いのではないでしょうか?
個人的に、演じている俳優の小林大斗さんのことを存じ上げなったことも、2人が同一人物だと気付かなかった理由の大きな一つだと思います
小林大斗さんは、所属の公式サイトによると、2020年ごろから舞台などを中心に活躍されている俳優さんです。
2024年ごろからテレビドラマにいくつもゲスト出演されていますが「十角館の殺人」までほとんどテレビ作品には出ていない印象です。
ということで、これからの俳優さんでまだ知名度は高くありません。だからこそ、多くの視聴者が、小林大斗さんが演じるヴァンと守須が同一人物だと気付かなかったと思います。
皆が知っている俳優さんが出ていたら、顔を隠していても、気づきますよね。
引用元:公式サイト
なので演技力も高く、それほど知名度の高くない俳優さんを抜擢したという、絶妙なキャスティングで実現しました。
また、監督が配信後に守須=ヴァン役のオーディションについて語っていました。
やはり「衝撃の一行」を実現させるには、皆が知っている俳優さんではだめであること。しかし確かの演技力であることだと思いったことから、ワークショップ型のオーディションを開催したんです。
数か月に及び、俳優さんに演技指導をしつつ、その成長を見ながらオーディションを開催するもの。
しかも、オーディションの条件は・・・「20歳前後」「テレビなど出演経験が少ない、もしくは完全な新人」。
なので、監督も当初はたくさんの人が応募して殺到すると思ったのですが、この条件に当てはまった人は100名程度。
と言うのも、新人俳優さんといえば、10代であることも多く、この条件を満たすのは、それほど多くなかったとのこと。
正直、重要なヴァン役を見つけることができるのか?怖かったと言う監督。
一方で、オーディションに参加した小林さんは内片輝監督のワークショップを無料で何か月も受けることが良い経験になるからと、事務所からすすめられて参加したそうです。
どんな作品のどんな役柄なのかを知らずにオーディションに参加していたとのこと。
事前にどんな役柄なのか情報を入れてしまわずに、まっさらな状態でワークショップに挑んでほしいと言う狙いがあったそうです。
こうして抜擢された小林さん。抜擢されたポイントは、ワークショップを通しての、成長でした。監督によると当初はそれほど演技力が高いと言印象でなかったのですた、ワークショップを重ねて、抜群にうまくなっていったと言う小林さん。
だからこそ、ドラマでもあの演技が見れたんだと実感しました。
小林さんにとっても転機となる作品であり、演技力を高めることができた、良い経験にもなったワークショップ型オーディションを開催したことが「映像化不可能を実現」した大きなポイントだったと思われます。
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